[カセットテープ]Fe-Cr(TYPEIII)DUAD

一昔前はあれほど普通に売っていたカセットテープも、今やノーマルテープが少し売っている程度になってしまいましたが、今回ご紹介するこのテープは、かなり昔に廃れてしまったものです。

SONY DUAD Fe-Cr フェリクローム カセットテープ

SONYのDUAD(デュアド)です。

カセットテープは4つのポジションがあり、一般的なのはTYPE Iのノーマル、TYPE IIのハイポジション(CrO2やクロムとも)、TYPEⅣのメタルですが、2と4の間にTYPEIIIのフェリクロム(Fe-Cr)がありました。

このフェリクロムは、wikipediaなどによると、1980年代後半にはカタログ落ちしているくらいなので、相当昔の商品であることは間違いない。発売開始自体も私が生まれる前である。

手元にあるこのカセットも、入手当時は一般的な電気店ではすでに販売してなく、私の故郷の小さな文房具屋でデッドストックのようにほこりをかぶって完全な定価で売っていたものです。(1,200円+当時消費税3%)
もちろんこの1本しか持ってません。

当然デッキも、このポジションに対応しているのは相当前のモデルになります。

Pionner CT-500 TC-K61 Limited TC-K555ESII

私が所有しているデッキでも、対応しているのは上記3つと、写真はありませんがもう一つTC-K55のみです。

このテープの特徴はwikipediaから引用させてもらいます。

TYPE III/フェリクロム

1970年初頭の頃までの音楽用テープは、高域は伸びるが低域に弱いクロムと、逆に中低域は強いが高域が弱いノーマルがあり、両者を併せることで弱点を補完しようという発想から生まれたものがフェリクロムである。1973年、ソニーから初の二層塗布テープ「Duad」が発売され、後にIECで正式にTypeIIIとして制定された。当初は下層に低域用のγ酸化鉄、上層に高域用の二酸化クロムを使用していたためにフェリクロム(Ferric+Chrome、鉄クロム)と呼称されるが、メーカーによってはコバルトドープ酸化鉄(上層)、コバルト被着酸化鉄(上層または両層)を採用する製品もあった。高級音楽用として、1970年代には各社の最高価格帯の製品として君臨したものの、製造工程の複雑さや専用のバイアス・イコライザが必要ではあるが自動ポジション検知は構造上できない等の使用時の煩雑さ等もあり、発売したメーカーは多くない。日本でも大手のTDK、日立マクセル、富士写真フイルム等は採用せず、同価格帯には高級ノーマルポジションを置いていた。1978年に3M社よりメタルテープ (TypeIV) が発売された後は、最高級音楽用としての役割はそちらに置き換えられて各社とも撤退し、日本で1980年代まで発売を継続していたのは開発元のソニーのみであったが、それも1980年代後期にはカタログ落ちしている。ソニー製デッキでも対応デッキはオートテープセレクターが主流となると消滅している。最高価格帯の製品でもあったためか同時期には1社1グレードのみで、価格帯としては同時期のクロムと同等かやや上、メタルよりは下となる。フェリクロムのランクは全てリファレンスである。

SONY DUAD A面

それでは、どういうテープか見ていきましょう。

フェリクロムはノーマルとハイポジのいいとこ取りをしようとしたテープのようです。
メタルテープが出る前までは、最高のポジションだったようです。実際に1976年頃発売のCT-500ではメタルポジションは無く、STD(ノーマル)、CrO2、Fe-Crの3つしかありません。

実際の音はどうかというと、カセットテープ全盛の80年代~90年代前半までに発売されたテープで、同じソニーの製品(HF-X、UXあたり)と聴き比べると、なぜかノーマルとハイポジの中間のような音に聞こえます。

中低音域は、ノーマルに近いです。少し図太い音になります。
高域は、ハイポジほど繊細にはならず、少し曇って聞こえますが、ノーマルより晴れやかです。

メタルテープに負けてしまうのも仕方ないのかもしれません。
でも、そういう中途半端なものを作ってしまうのも、ソニーなのかもしれません。
切手サイズのNTやmicromvのように発想はいいけど受け入れられなかったものがソニーには多数あります。
でも、そのチャレンジ製品は好きでした。最近あまり出さないですね、ある意味トンデモ製品。ソニー頑張れ!

SONY DUAD B面

B面も特に見た目は変わりません。

貼ってあるラベルで他のポジションと違うところは、POSITIONがTYPE IIIとTYPE Iの2つが書いてあります。

実はこのテープ、ノーマルとしても使うことができます。

DUAD フェリクロム ポジション

このDUADは、録音時のBIASがノーマルともハイポジとも違います。
磁気録音は、録音時のBIASと再生時のEQが同じでフラットになる原理なので、Fe-Crのポジションが無いデッキで録音再生する際には、ノーマルポジションを代用できるという意味です。

なので、音的にもハイポジよりはノーマルに近いのは、このあたりにも理由があるのかもしれません。

DUAD リーダーテープ

リーダーテープは薄い黄緑です。
昔のテープなので長めです。

DUAD フェリクロム テープ色

テープの色はこのような感じ。
拡大してみましょう。

DUAD フェリクロム テープ色 拡大

黒いです。
もちろん、発売から40年近く経っているテープですので、新品当時と同じ色なのかはわかりませんが、黒いです。

それでは、ノーマルからメタルまで、4つのポジションを同じソニーのカセットテープでテープの色を比べてみましょう。

ソニーカセット ポジション別 色比較

ノーマルはHF-X(80年代後半頃の製品)、ハイポジはUX(これもHF-Xと同時期)、そしてDUAD、メタルはMETAL-XR(90年前後の製品)です。

主観でいうと、ノーマルは若干茶色い色で、メタルに向かって黒くなります。
メタルはDUADを黒光りさせたような色です。

DUAD ポジション検出孔

誤録音防止のツメはありますが、ポジション検出孔はありません。
というか、上部はノーマルと同じです。

これでは、デッキ側でオートポジションになったときに切り捨てられるのがわかります。
実際に、比較的新しいデッキに入れると、ノーマルと識別されます。

DUAD フェリクロム

インデックスカードの裏側です。
郵便番号も3桁、東京の市内局番も3桁で書いてあるのが、時代を感じさせます。
今ここに電話したらつながるのかも不明です。
ちなみに、比較的新しいCDixⅣにも同じ電話番号が書いてありました。

さて、私の持っているこのテープは、使用済みです。HBCのベストテン北海道が録ってありました。懐かしいです。
B’zがベストテン北海道のためにコメントした部分が入ってました。
「ベストテン北海道をお聴きの皆さまこんばんは。B’zの~」のような感じです。

AM放送ですが、宮城北部は夜になると北海道の曲も入感していました。
確かチューナーは親が持っていたPioneerのTX-6600IIで受信して録音した記憶があります。

私が小6~中1ぐらいの頃の録音なんで、聴くだけで懐かしいような、まだそんな昔でもないような不思議な気持ちになります。

カセットテープには、入っている音以上の思い出が詰まっているのかもしれません。

では皆さま、良いオーディオライフを!

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